近年、外で遊ぶ場所の減少や、塾や習いごとにより外遊びの時間が取れない、ゲームがたくさんあるので室内遊びを好むなどの理由で、子どもの運動能力は低下する傾向にあります。
また、これらの問題が肥満などにつながってしまうこともあります。
子どもの運動能力を高められるかどうかは、体が出来上がるまでが勝負です。
そこで今回は子どもの運動能力を高めるポイントについてご紹介します。
年齢にあった運動が大切
幼稚園児に対し、体育指導を行わない子どもの方が、行った子どもよりも運動能力が高い、という興味深い報告が日本保育学会で行われました。
25メートル走や立ち幅跳びなど6つの項目について調査したところ、幼稚園で週2回以上マット運動や体操などの指導を受けている子どもの平均は30満点中18点台だったのに対し、
体育指導は受けず自由に遊んでいる子どもの平均点は19点台になりました。
これは体育指導で行う運動はいつも同じ動作の繰り返しになるのに対し、自由遊びで行う運動は「走る」「上る」「運ぶ」など多岐に渡ることが要因と考えられています。
つまり、幼児期は1つの運動を繰り返し習得させるより、いろいろな動きを経験している方が運動能力を高めることができるのです。
子どもが積極的に自由に遊んでもらえるためには、年齢に合った運動を少しずつさせていくことが、子どもの運動能力を高める重要なポイントになります。
0~2歳児におすすめな運動
体が未発達な0歳児は、運動というより「楽しい」「心地いい」という経験をさせてあげましょう。
お散歩やベビーマッサージ、絵本や知育おもちゃなどが効果的ですね。
1歳を過ぎたら、積極的に外遊びを取り入れます。
午前中に外へ出ると夜の寝つきもよくなりますよ。
2~4歳児は体を動かそう
自分の意思で体を動かせるようになる2歳から4歳の間は、外遊びがおすすめです。
ジャングルジム・滑り台・ブランコ・鉄棒などのさまざまなな動きが必要になる外遊びは、体をバランスよく発達させてくれます。
本人が楽しいと思える体を使った遊びを、たくさんさせてあげましょう。
5~8歳はいろんな道具を使ってみよう
この頃は体が大きくしっかりしてくる頃です。
運動神経の成長期に当たるので、そろそろ自転車やキャッチボール、縄跳びなど、習得にコツがいる道具を使った運動を取り入れましょう。
9、10歳ごろまでは基本的な動作の習得をさせます。今後の運動能力を決定する時期なので、しっかり体を動かすことが重要です。
9~12歳は様々なスポーツにチャレンジ
この時期は、一度見た運動をすぐに習得することができる年代です。
投げる・走る・跳ぶなど基本的な動きができるようになったら、次はそうした動作が必要なルールのあるスポーツにチャレンジしてみましょう。
引き続き、プールやアスレチックなどで様々な運動をさせてあげることも大切です。
また、今後のために持久力を高める運動を取り入れていくと、中学生以降「粘り強さ」として効果が現れます。
子どもを健康に育てたいと願うのは、親としては当然です。
子どもの運動能力を高めるには、親のサポートが必要不可欠。休みの日には家にこもっていないで、積極的に体を動かせる場所へ連れて行ってあげましょう。
また、発達段階に合わせた運動をさせてあげることもポイントです。