選手:暑さで食欲が湧きません…
無理やり食べるのも身体によくないですし、この問題を放置しておくのはよくありません。ということで、今回は夏バテで食欲が落ちている選手に覚えておいて欲しいことを紹介します。
そもそも夏はなぜ食欲が落ちるのでしょうか…?
夏に食欲が落ちる原因は様々ですが、よく言われるのが温度差。
猛暑の屋外からエアコンで冷えた室内に戻ると、身体は急激な温度差を感じます。その結果、体力を消耗してバテやすくなります。さらに、冷房の効きすぎた部屋に長時間いると、自律神経が正常に働かなくなり、胃腸の不調や食欲不振の原因にも繋がります。
まずは自律神経が崩れないように、長時間冷房の効きすぎた部屋にいないよう気をつけましょう。また、こまめな水分補給を心がけましょう。
長時間直射日光の下にいると発汗が過剰になり、体の水分が不足して夏バテを引き起こします。それにより食欲がなくなってしまう選手も多いので気を付けてみてください。
それでは次に食事のアプローチ方法をご紹介します。
まずは自律神経へのアプローチ:腸内環境を整える
自律神経を整える上で大切なホルモンが、“幸せホルモン”と言われている「セロトニン」です。セロトニンのほとんどが腸で生産されます。
正常な腸の働きには、バランスの保たれた腸内環境が大切です。まずは発酵食品と食物繊維を摂ることを意識していきましょう。
味噌やヨーグルトなどの発酵食品には、良い菌がたくさん入っています。その菌の餌となり、菌を増やしてくれるのが食物繊維を豊富に含んだ野菜や海藻、キノコ類です。積極的に摂っていきましょう。
質のいい油を
油は量ではなく、質が大切です。
自律神経への良いアプローチは「オメガ3」という亜麻仁油やえごま油、ナッツ類や魚油に含まれる油です。逆に揚げ物やスナック菓子の油は自律神経を乱す原因にもなりかねませんので、注意が必要です。
油ならなんでもよいというわけではなく、しっかり質をみて判断してほしいなと思います。
血糖スパイクを起こさない
急激な血糖値の上昇が起きると、大量のインスリンが分泌されます。
また、インスリンの大量分泌で急激に血糖値が下がると、今度は血糖値を上げようとコルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリンといったホルモンが分泌されます。これが自律神経を乱す原因にも繋がるのです。
急激にあげる原因になってしまう食品の代表例が「砂糖」です。甘いお菓子などは想像がつくかと思いますが、炭酸飲料や甘い飲み物も、急激に血糖値を上げる原因になります。
また、3食の食事もサラダや汁物から先に食べるようにし、いきなり糖質が入ったものから食べないようにしましょう。お米に雑穀米をプラスしたり、全粒粉のパンなどを取り入れるだけでも血糖値の上昇が緩やかになります。
その他のアプローチ:プラスαの意識をもって
「あまり食欲がない」と感じることが増えると、どうしても簡単なメニューですませてしまいがちですね。そんなときは身近にある食品をプラスして、少量でも効率よく栄養が摂れるように工夫してみましょう。
例えば、みそ汁とご飯だけになってしまうのであれば、ご飯にしらすやおかかなどを振りかけてみたり、みそ汁に豆腐や卵野菜などを入れてみたりしてみしょう。
何品も食卓に並べてしまうと食べることが億劫になってしまう選手も少なくありませんので、まずは+αの意識を持っていきましょう。
消化のいいものを食べて休息を…
食べなきゃと無理矢理食べて、消化不良を起こしてしまっては意味がありません。消化のいいものを食べて早めに休みましょう。
おかゆや煮込みうどん等の水分を含んだものはお勧めです。更に、水分と糖質だけでは栄養が偏ってしまうので、比較的消化の良い卵や豆腐、鶏肉などのたんぱく質が摂れる食品も一緒に食べていくと良いでしょう。
卵でとじてあげても良いですし、湯豆腐みたいなものでさっぱり召し上がるのも美味しいですね。是非この辺りを意識してみて下さい。