アスリートの栄養サポートを日々行っている中で、アスリートと食事は深く関わりがあるなと日々感じています。
食事は身体を作る土台です。土台をジュニアの時期から分厚くしていくために、アスリートに大事な栄養素の代表格「糖質」について、今回はお話させて頂きます。
アスリートと糖質について
「糖質ってやっぱりアスリートに必要ですか?」
今は糖質制限が流行していますが、糖質制限と運動パフォーマンスのエビデンスはまだ少なく、糖質制限を闇雲に行うのはリスクがあると考えています。もしやる場合はしっかり専門家のアドバイスを聞いてから行っていきましょう。
アスリートには大事な栄養素である「糖質」この働きをしっかり理解して、適切な量とタイミングがわかると良いなと感じます。
糖質の働きとは?
身体を動かすエネルギー源であり、脳のエネルギー源にもなるため、集中力や判断力といったアスリートにとって大切な部分を補ってくれます。
そのため、適切に糖質をとり、エネルギーに変えていければ、選手のパフォーマンスも安定してきます。
また糖質の強みには、即効性のあるエネルギー源であるということです。体内での消化吸収のプロセスにおいて、早い段階からエネルギー源として使えるのが特徴です。
「脂質、タンパク質」も大事なエネルギー源ですが、消化吸収に時間がかかっていましますので、まずは糖質が第一のエネルギー源であることを覚えておきましょう。
糖質の種類
糖質には「単糖類、二糖類、多糖類」があります。
単糖類は、ブドウ糖や果糖といったこれ以上分解できないもので、食べた後すぐに消化吸収されてエネルギー源となります。
二糖類は、砂糖が代表的なものであり、多糖類は米やパンや麺類などが挙げられて「単糖類→二糖類→多糖類」と多くの分子が繋がっていくようになります。その分、消化吸収にも時間がかかるということです。
糖質の摂り方
まず糖質の種類・タイミングとして、基本的な3食の食事は、多糖類をメインに摂ることをお勧めします。そのほうが腹持ちもよく、ゆっくりエネルギーに変わるので、持続性が期待できます。
米やパンや麺などの主食をしっかりアスリートは考えていきましょう。
ただすぐに運動する場合や、運動の合間や、運動直後など「すぐエネルギー源を入れたい!すぐ枯渇したエネルギー源を補いたい!」といった場合は、単糖類をお勧めしますので、スポーツドリンクやゼリーのようなブドウ糖などがメインとなっているものを食べていくのもありかと思います。
また量ですが、全体のエネルギーの6割くらいを糖質でとると良いと言われてます。ただこれも運動強度や時期によって割合は前後しますのであくまでも目安として覚えておきましょう。
なかなかエネルギー(カロリー)で想像つかない方は、一つの参考データとして「2003年にIOCよりアスリートの栄養摂取についてのコンセンサス」が発表されたものも参考にしてみてください。
○回復期間が1日の場合:継続時間が中程度で低強度のトレーニング後;5~7g/kg体重/日
○回復期間が1日の場合:中~高強度の持久性運動:7~12g/kg体重/日
○回復期間が1日の場合:かなりハードな運動(運動時間4~6時間/日以上):10~12 g
または12g/kg体重/日以上と記されています。
ごはん 150g(茶碗1杯) 55g
食パン6枚切 1枚(60g) 約30g
うどん(ゆで) 1玉(200g) 約45g
バナナ 1本(120g) 約25g
もち 1個(50g) 約25g
牛乳 200cc(206g) 約10g
自分にとって最適な糖質の摂り方を知る
これを知るには今までの練習強度に合わせて糖質を摂ってみて、
・体重の変動はないのか
・バテる感覚がないのか
・回復はしっかりできているのか
・運動していての違和感
などを聞いて調整をしていました。そういった感覚も大事です。