成長期を迎える子供がいる場合、毎日の食事もしっかりと考えていくことが非常に大切ですよね。
子供の成長を考える場合、和食と洋食とでは、どちらが身長を伸ばすことに効果的なのでしょうか。
今回は和食と洋食の特性を栄養バランスの観点から紹介し、子供の食事は和食中心にすべきか、洋食中心にすべきかをご紹介していきます。
和食と洋食の栄養
まずは和食と洋食の栄養価の特徴から触れていきます。
和食と洋食の栄養バランスの特徴は以下の通りです。
・和食の栄養バランス
日本人ならではの食事である白米を主食としている和食は、さまざまな食事との相性が良い点が特徴です。
魚類や野菜だけでなく、洋食によく出る肉類などとも良く合うため、これらの食材と合わせて食べることで、バランスよく栄養価を摂取することができるようになります。
和食中心の食生活を送ることによって、食物繊維や葉酸、マグネシウム、カリウム、鉄分の摂取量も多くなります。この食生活こそ日本が長寿でいられる秘訣だと言えるでしょう。
・洋食の栄養バランス
洋食が中心の食生活になると、飽和脂肪酸という脂質の摂取割合が多くなることで、心疾患や糖尿病のリスクを高めてしまいます。
日本は「長寿国」として知られていますが、洋食のような偏った食生活を送ることが少なかったためだと考えられているのです。
このように脂質やタンパク質が多い点が洋食の特徴でデメリットとも言えますが、体の成長のためにはある程度のタンパク質の摂取も必要です。
アメリカ在住の日本人に体格が良い方が多い理由も、食生活が洋食中心に変わったからだと言えるでしょう。
和食と洋食、子供の成長にはどちらが良いのか?
ここまで紹介した内容は一般的な和食と洋食の特徴ですが、それでは子供の成長にはどちらが適切なのでしょうか?
この議題に関しては日本肥満学会で発表された研究結果が非常に参考になります。
・日本肥満学会による意外な研究結果
東北大学大学院の都築准教授が日本肥満学会で発表した研究によると。1975年ごろの食事(和食)が最も子供にとっての栄養バランスが優れているという結果が出ました。
1960年、1975年、1990年、2005年の平均的な食事メニューを比較し、その中で肥満率や内臓脂肪率が最も低く、そして子供の成長に優れた栄養素を含んだ食事はどの年代なのかを調査。
その結果、1975年の食事メニューが最も理にかなっていたのです。
1990年以降の食事は従来の食生活よりも洋風化が進んでいるため、体格がいい子供が育ちやすいと考えられがちです。
しかし実は1975年代の「日本古来からある和食に少しだけ洋食が加わっている」という食生活のほうが効果的だということが、この発表で判明しました。
・なぜ、このような結果になったのか?
1990年以降の食生活は、食生活が洋風化しているものの、高カロリーな食生活になりがちです。
さらに肉類や油脂類の過剰摂取になりやすいことも多い点が特徴です。
1975年の食生活はまだ和食中心の食生活を送る家庭も多く、魚介類や海藻類や豆類も多いため食物繊維やミネラルなども豊富に摂ることができました。
さらに成長に役立つビタミンやタンパク質なども、魚だけでなく肉からも摂取する習慣がつき始めたことから、この年代の栄養バランスが望ましいと考えられます。
食生活は「和食中心」にすべき?
ここまで紹介した内容から、私たちの成長には「和食」が欠かせないことが分かります。
偏った栄養バランスではなく、ビタミンやタンパク質などもしっかり摂ることで成長をサポートしてくれます。
そこに日替わりで肉関係のおかずも少しずつ増やしていくことで、効率よく成長に必要な栄養を取りこむことができます。
このように子供の食生活は「和食中心」で行うべきではありますが、日替わりで魚料理を肉料理に変えてみたりなど、定期的に「洋食」を取り入れることが非常に大切なのです。
「和食で足りない部分を洋食で補う」という方針が効果的
洋食中心の食生活が続いてしまうと、子供は肥満になってしまう可能性もあります。
肥満は低身長を招く可能性が高いため、極力和食を中心に日々の献立を組み立てていくべきでしょう。
しかしその一方で子供の好みの食事の大半が「カレーライス」「ハンバーグ」など、洋食が中心なはずです。
そのため日々の和食に洋食を絡めた食事を心がけることは、子供の好みの食事を加えることにもつながるため「完全に和食だけ」という方針はあまりオススメできません。
好き嫌いなく食事をしてもらうためにも、洋食を絡めた食生活を心がけることが大切です。
「和食に洋食をプラス」この食生活を心がけることが成長をサポートしてくれる
現代の食生活は洋食が中心となっている家庭も少なくありません。
しかしそれでは子供にとって大切な栄養分がしっかりと吸収されずに、効果的に身長を伸ばすことができない可能性もあります。
また、他にも一品料理が中心になっている家庭も要注意です。
丼物などの食事はどうしても炭水化物が割合の大半を閉めてしまう可能性が高いため、さまざまな栄養価を吸収するタイミングを逃してしまいます。
こういった料理は作ることが非常に簡単なので、ついついこのようなレシピに頼りがちになりますが、子供の成長を考えた場合あまり良い効果は見込めないことも把握しておきましょう。
「一汁三菜」を意識しつつ、定期的に洋食(たんぱく質)を加えておく食生活を意識することが、子供の成長をサポートする鍵となるのです。