スポーツの現場にいると、この問題は気にしている監督さんやコーチ、親御さんは多いです。今回は現場で動く栄養士として、こういう問題にどう向き合っているのか、私なりに書いてみたいと思います。
競技特性や環境を理解する
例えば、審美系のスポーツである新体操やバレエなどは、見た目を気にするあまり食べることにいい印象を持っていないことも多いです。
また陸上の長距離選手も軽いほうが速く走れるからと体重を減らすことが大事になり、なかなか食べようとしません。
逆に野球やラグビーなどの競技や階級別の競技である柔道やレスリングなどは、『吐くまで食べろ』のような教えもまだ消えていない現場も多く、食べることにマイナスな要素を感じている選手が多いです。
このような競技特性やその選手が生活してきた環境などをリサーチして理解する事からまずはスタートです。
そこの問題を抱えている選手にいくら『食べよう』と言ったところで食べることは難しいと考えます。そこに寄り添い、強制せず、ゆっくり紐解いてあげることが一番の近道です。
競技と食事の関係性を理解させる
上記の問題がなく「ただ興味がない、無関心」という選手も多いです。
その選手には、競技と食事の関係性を理解させることが大事になります。ただこれはこれといった改善策が少なく、長期的にアプローチをすることが大切になります。
その中でも効果的だなと思うのは、
②第三者に意見を聞かせること
①はなぜその競技をやるのかを確認していくこと、勝った時のイメージを描かせて、その時の感情を大切にしてもらい「なぜ」この競技を頑張るのかが明確になるとよいです。
「なぜ」が共有できると、そこに対するコミット力が上がり、その中に食事を関連させることができるようになることが多いです。
なかなか食事に興味が向かない選手とコミュニケーションをとる中で、ここが共有できると食べてくれるなと感じることが多いです。
ただこれを行うのも一苦労なので、場合によって第三者の意見が必要になります。
監督やコーチや親御さんなど毎日コンタクトのある方の言うことがなかなか入ってこないのであれば、ここに栄養士を1回入れて話す機会を作ることをお勧めします。
実際にジュニアのチームに食育をしますが、そこが一つのきっかけとなったという話もよく聞きます。きっかけがあるとジュニア期の子供たちは変わります。なかなか思うように食事に目が向かないといった選手やチームさんは1度検討してみてもよいかと思います。
1日のトータルで考える余裕を持たせること
私は1日のトータルで、食事は考えてほしいとよく選手に伝えます。それにより、『三食+補食でしっかり食べればいいと思えたことで心に余裕ができた』『一食でたくさん食べて完璧にしなくていいと思えると食事が楽しい』このような感想をよくもらいます。
まずは1週間のトータルでしっかり食べられていたら良いくらいの気持ちで考えてあげることが大事になってきますし、そのスタンスで選手に接すると、笑顔で食事を囲んできれるようになり、自然と食べる量や食べるものが変わってくることを実感します。
今食べられなかったから補食でその分しっかり食べよう!そう思わせることが大事ですし、それが選手の自立にも繋がります。
食べやすい食事内容に変えていくこと
ここまでは心やスタンスの話がメインだったかと思いますが、次は食にしっかりフォーカスした内容になります。
せっかく作ったものを残されてしまうととても悲しいですよね…私もそういう想いをしたことも多くあり、その度にどうやったら食べてくれるかなとよく考えます。
その中で、子どもたちや選手の練習後や合間などに反応が良かったものがありますのでいくつか紹介します。
以上4点いかがでしたでしょうか?
この記事がきっかけになると幸いです。