サポートさせて頂くようになった選手に「最近いつ体温測った?」と聞くと、「この前、体調を崩したとき」という返答の選手がジュニアアスリートには多いなと感じます。
基礎体温を測る習慣がないジュニアアスリートが多いのが現状です。基礎体温を測ることは、妊娠を望んで排卵日などを分かりたい女性だけが必要というわけではないです。
月経がある女性はみんな行ってほしいですし、日々過酷なトレーニングをしながらコンディショニングを行う女性アスリートは身体のサインになるので、ぜひ行ってもらえるとよいなと感じます。
健康な女性では、基礎体温は低温期と高温期の二相になり、それが一定のサイクルで繰り返されていきます。基礎体温の変化は、身体の状態を知る大きなポイントになります。
参照画像:日本産婦人科医会
上記の図のように、女性には、エストロゲン・プロゲステロンの2種類の女性ホルモンが分泌されます。月経が終わった頃からエストロゲが分泌され、排卵を迎えたら、プロゲステロンが分泌されます。エストロゲンが優位の時が低温期、プロゲステロンが優位の時が高温期になります。
体温を測ることによってエストロゲンとプロゲステロンがしっかり分泌されているのかが判断できるからこそ「基礎体温」の記録を取ってほしいのです。
・子宮内膜を厚くし、子宮発達に役立つ。
・血管を強くする。
・骨量を調整する。
・自律神経系をコントロール etc…
・基礎体温を上げる。
・眠気を引き起こす。
・水分を貯め込む(むくみ)
・頭痛が起こる。
この辺りが代表的な例です。
例えば、エストロゲンは骨代謝にも関係しており、エストロゲンが低い状態が続くと骨量の低下が進行するのです。それが疲労骨折などのリスクを上げることにも繋がります。
またプロゲステロンが優位な時に、減量をしたりすると水分をため込みやすく、むくみやすくもなるので、なかなか減量が満足にいかず、自分を責めたり嫌気がさしたりすることも多くなるかと思います。
頭痛がしたり、眠気が増したりすることを知っているのと知らないのでは大違いですね。
こうやって身体の変化を知ることで、練習も組みやすくもなりますし、ウエイトコントロールもしやすくなり、疲労骨折などのリスクも下げることも期待できます。
自分の身体でしっかりホルモンが分泌されているのかを病院に行かず自分でチェックできる方法であり、コンディションの安定には欠かせないですね。
基礎体温の測り方
朝、目覚めたら、身体を動かさず寝たままの状態で検温(あらかじめ枕元などに体温計を準備しておく)→ 体温計を舌で押さえ、口を閉じたままで測ります。これをまずは一周期続けていきましょう。
なかなか続かない選手は、測ることさえすれば、スマホに連動してくれてグラフにまでしてくれる体温計もたくさん出ています!
メッセージ
女性にとってホルモンバランスは切っても切れない関係性があります。アスリートの中ではまだ「生理が来ないほうがラッキー」と生理が来ないことになんの疑問も感じていない人が多いです。
またこの記事は女性だけでなく、女性と関わる男性にもしっかり知ってほしい情報です。出来ることをジュニアの時期から習慣にしていきましょう。