しっかり身体をリカバリーすることや、練習の質をしっかりあげることは、食事と休養をしっかりとることが求められると思います。
そしてこの2つの食事と休息には深い関係があります。ではその関係性とその休息(今回は睡眠に焦点をあてて)の質を上げていくポイントを伝えます。
質の良い睡眠とは?まずは睡眠について理解する
質の良い睡眠とはどのような睡眠かを、厚生労働省の資料で示されている睡眠の質の評価から考えていきましょう。
必要な睡眠時間がとれており、日中に眠気や居眠りすることがなく、良好な心身の状態で過ごせる
途中で覚醒することが少なく、安定した睡眠が得られる
朝は気持ちよくすっきりと目覚める
目覚めてからスムーズに行動できる
寝床に就いてから、過度に時間をかけすぎずに入眠できる
睡眠で熟眠感が得られる
日中、過度の疲労感がなく満足度が得られる
良い睡眠の評価はどのように決まるの?
良い睡眠の評価は、起床後に自分の睡眠を振り返る主観的な評価方法と、自分以外の他人からの評価や脳波などを計測する客観的な評価方法とがあります。
しかし、客観的に評価した脳波などのデータが正常範囲であっても、本人自身の睡眠に対する満足度が低いなどの場合もあり、完璧な評価を求めることは難しいのが現状です。
睡眠に関わることは多岐にわたり、体温やホルモン分泌など様々な要因が影響してくることがわかっています。例えばストレスを感じ体温調節やホルモン分泌に影響がでると、なかなか寝付けなかったり、睡眠が浅くなるなど影響が出てしまいます。
さらには、食事の種類や摂り方も睡眠に影響を与えてしまう事をご存知でしょうか?
食事と睡眠の関係性とは…?
食事と睡眠の関係で、わかりやすいのは「ホルモン」です。
ホルモンの素をたどると脂質やたんぱく質が原料となっています。この材料となると栄養素の量や質をしっかり見直していくことで、睡眠の質はよくなっていきそうですよね。
これは、上記で説明したようにホルモンの素になるからです。多いのは、ラーメンやどんぶりなど糖質メインなものを食べていたり、体重を気にするあまり、野菜を中心に食べていたりする選手。それでは良質なたんぱく質や脂質を摂ることが難しいです。
良質のたんぱく質は、魚や肉や卵や大豆製品を積極的にとりましょう。ただ多いのは肉に偏りがちな方。余計な油分も摂りがちなので、まんべんなく摂ることを心がけてください。
脂質も揚げ物やお菓子などの油ではなく、魚やナッツ類や亜麻仁油などに多く入っている質の高い油(オメガ3)を意識して摂って頂けるとよいですね。
寝る直前の食事はできるだけ避け、2~3時間前には済ませるようにしましょう。忙しいアスリートは、食事を分けて食べた方が良いですね。練習前後にしっかり軽食を摂り、21時すぎなどの寝る時間に近い食事は軽めに済ませるとよいかと思います。
どうしても血糖が高い状態や胃に多くのものがある状態で寝てしまうと、次の日に気持ちよく起きれず、なかなかリカバリーが追い付いていない状況が多いです。1回に多くの量を!という考えは一度見直していくのも大切です。意識してみてください。
アスリートとして多くのエネルギーを使うので、その観点でも欠食はしないで頂きたいですが、睡眠の質をよくするうえでも欠食をしないでほしいです。
特に欠食しがちなのは朝ごはん。朝ごはんで睡眠に必要なホルモンの1種であるメラトニンの原料を取り入れれば、夜にはちょうどメラトニンが生成されていることになりますから、入眠しやすくなるうえ、眠りの質の向上も期待できます。
メラトニン←セロトニン←トリプトファン(アミノ酸)という経路でメラトニンを作られていきます。トリプトファンはアミノ酸のため、アミノ酸のもとになるたんぱく質を朝からしっかり摂っていきましょう。
また農林水産省が出しているデータによると幼児や中学生、成人を対象とした研究では、たんぱく質を朝からしっかり摂れていると睡眠の質がよい人が多いことや不眠傾向の人が少ないことが報告されています。ジュニア期は身体を成長させていく大事な時期ですので、しっかり朝ごはんから食べていきたいですね。
以上気を付けていきたいポイントをまとめました。