この身体も心も大きくする二度と来ない時期は子供たちにとって非常に大切です。ではこのゴールデンエイジの意味や、ここの食事のポイントをお伝えします
ゴールデンエイジとは?
子どもが成長する段階において、神経系の発達が成人レベルへ急激に近づく年齢のこと。この時期に運動することで運動神経が良くなる一生に一度の「黄金期」です。
「スキャモンの発達・発育曲線」をご存知でしょうか?
20歳のときのヒトの発育状態を100%として、4系統(一般型、神経型、生殖型、リンパ型)に分けたそれぞれの発達の仕方をグラフに表したものです。
スキャモンの曲線をもとに、神経型が急激に発達する4歳ごろから12歳ごろをゴールデンエイジと言うことが多いですが、日本サッカー協会では、ゴールデンエイジを10~12歳とし「JFAキッズ(U-8/U-10)ハンドブック」で次のように記しています。
U-10~U-12年代は心身の発達が調和し、動作習得に最も有利な時期とされています。集中力が高まり運動学習能力が向上し、大人でも難しい難易度の高い動作も即座に覚えることができます。「ゴールデンエイジ」と呼ばれ、世界中どこでも非常に重要視され、サッカーに必要なあらゆるスキル(状況に応じて技術を発揮すること)の獲得に最適な時期として位置づけられています。
年齢は多少前後しますが、いずれの場合もゴールデンエイジがいかに自分の能力を上げるために大事な時期だということを分かって頂けると嬉しいです。
・ゴールデンエイジで気を付けたいこと
運動面でいろんな経験をさせてあげるのはもちろんですが、食事もしっかり気を付けていきたいところです。この時期にしっかりベースを固めていきましょう。
⦁ しっかり3食食べられているのか
特に朝ごはん。しっかり朝ごはんを食べていきましょう。
ポイントは二つ。
1点目は、寝ている間に下がる体温を上げ、一日の活動に備えること。
2点目は、体内に蓄えられエネルギー源であるブドウ糖は睡眠中に消費され、朝にはほぼ空っぽに。そのため糖分を補給する必要があります。
しっかりご飯やパンや果物などを食べていきましょう。またここで糖質と一緒に、たんぱく質を摂ることが大事です。たんぱく質が不足しがちな朝食にしっかり摂ることによって、筋肉の合成に対して良い影響を得られます。筋肉を作っていく年ごろではなくても小さい頃の食べる習慣化が出来ることが大事です。
また、朝にたんぱく質を摂ることで、トリプトファンというアミノ酸が身体に入ってきます。このトリプトファンは、体内でセロトニンやメラトニンに変換され、体内時計を調整したり、ストレスを和らげたりするなどの働きがあるといわれています。
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品を朝ごはんに入れていきましょう。手軽なのは、卵料理や納豆やヨーグルトなどを足してみたり、鮭フレークや鯖缶やツナ缶を使用してみたりするなどがよいかと思います。
⦁ しっかり噛むこと
なかなか噛まない子供が増えてきています。噛むことは小さい頃の習慣化が大事です。特にジュニアアスリートの場合はぱっと食べて練習に行くなどの場面も多くその習慣をつけるのが難しいと思いますが、噛むことにはたくさんのメリットがあります。
例えば「食物の消化をしやすくする」⇒噛むことにより食べた物を嚥下しやすくなり、また、噛むことによって反射的に唾液や消化液の分泌量が増し消化されやすくなります。
「食べることの満足感や喜びが得られる」
「 咀嚼機能障害の予防」⇒歯根膜の疾患、不正咬合、むし歯、歯周疾患、口内炎などの原因になります。
また、しっかり噛む習慣がなくなると、硬いものを好まなくなってしまします。そうすると栄養的な偏りが生じやすく、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの摂取不足の原因になります。
ですので、しっかり噛む習慣をつけましょう。
⦁ カルシウムやビタミンDを意識
骨をしっかり作るうえで大事な時期になります。カルシウムとカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDを積極的に摂りましょう。
カルシウムは魚や乳製品や緑黄色野菜に多く入っています。ビタミンDは太陽の光を浴びると体内で合成できますが、食事からも積極的に摂りたい栄養素です。魚やキノコ類にも多く入っています。
魚がなかなか食べられないとカルシウムやビタミンDが不足しがちになりますので、食べる習慣をつけさせてあげましょう。
⦁ 食事を楽しい空間とする
小さい頃から食事を楽しい時間、リラックスできる時間と感じることが出来ているとよいです。食卓を囲み、会話をするいい機会に食事はなりますので、そういった空間を家族で作って頂けたらと思います。