身体の冷えとコンディションの関係~食事からできるアプローチ~

こんにちは。管理栄養士の佐藤彩香です。年も明け、新学期が始まるこの時期は寒さが厳しい季節でもあります。

今回はアスリートに知っておいてほしい「冷え」と「コンディション」についてお話します。

冷えを甘く考えてはいけません。冷えはアスリートのコンディションに及ぼす影響は大きいです。とくに冬は、冷えを感じやすい時期となります。

冷えを感じている人はその他の悩みも多くある

私が見ている選手200名(水泳、サッカー、陸上、アメフト)に体感のアンケートをとりました。その際に冷えを感じると答えた選手(68名)は、他にも様々な悩みを抱えていました。

1位 疲労感がある
2位 便の調子が悪い
3位 倦怠感がある

このような結果でした。ほかにも寝つきが悪いや、食欲がないなどの答えもありました。

冷えは、体力やエネルギーを奪い、スポーツのパフォーマンスにも影響を与えます。また自立神経系にも及ぼす影響も大きく、腸内環境も乱す可能性が大きいです。

それによって、疲労感や倦怠感を感じたり、便の調子が悪かったりするのかなと感じます。冷えは放っておくと危険なのです。

アスリートは身体を冷やさないことが大切

練習が終わったあとは冬でも多少の発汗はあります。そのため汗をかいた状態で練習後もいると身体は冷えてしまいます。しっかり身体を冷やさないように暖かい格好を心がけましょう。

私が見ているチームでコンディションが安定している選手たちは、身体を冷やさないことを徹底しています。

よく部室にいくと靴下を履かずにうろうろしている選手もいる反面、しっかり靴下を履き、身体が冷えないように徹底している選手は、コンディションが安定している選手が多いです。

日々の積み重ねが大事なので、そういったことをしっかり徹底していきましょう。

冷えの対策はただ外から温めるだけではない

冷えを感じないように外からしっかり温める事はいいことですが、内側からケアすることも可能で、よりコンディションを整えていくことが期待できます。

では、その方法をお伝えしていきますね。

①身体を温めるものをしっかり食べる

まずは身体をしっかり温めるために、温かい汁物や鍋などを食べていきましょう。
その他として、身体を温める食材を摂るのも効果的です。人参やごぼうやレンコンなどの根菜類や、寒い地方で育ちやすい食材であるりんごやいちごや蕎麦などもお勧めです。夏野菜のきゅうりやトマトなどは身体を冷やすので、摂りすぎには注意です。

②ドカ食いや食べすぎに注意

食べ過ぎると消化のために血液が胃腸に集まってしまい、熱産生量の多い筋肉やほかの器官への血液供給が減ってしまいます。高脂肪食品や塩分の多い食べ物、スイーツなどの甘い物はつい食べ過ぎてしまいます。ここ辺りの食品を多く摂りすぎてしまうのは気を付けましょう。
運動時間が長く、空腹時間が長く、一気に食べてしまう選手や、朝ごはんの欠食をしがちな選手は要注意になります。補食の準備や朝ごはんを食べていく習慣付けはしていきましょう。

③しっかり水分を確保していくこと

汗をかいたり、排尿したりして水分をちゃんと排出しているのなら、しっかり水分をとること。これは当たり前のことです。
水分量が少なくて、血流が悪く身体が冷えているため汗をかかず、水分が十分に排出されていない人は体に不要な水分がたまり、余計冷えやすくなってしまいます。嫌な循環ですので、しっかり水分は摂りましょう。
人間は平均2.5リットルの出納があります。それを飲料と食材で摂っていくようなイメージになります。スープを飲んだり、水分含有量の多い野菜や果物などを食べたりしながら、飲料で1,5~2リットルは日常的に摂るようにしましょう。※運動中はそれとは別にこまめな水分補給が必要です。

④腸内環境を考えて食事をすること

冷えと腸内環境には関連があります。
腸は蠕動運動をすることで、食べた物を消化・吸収しています。これをコントロールするのが自律神経で、身体が冷えると自律神経の働きにも悪くなるので、腸の動きも弱まります。その結果、便が長時間溜まることになり、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れ、悪玉菌で充満してしまうことも考えられます。
身体を冷やさないのはもちろんですが、食事からもしっかり身体を温めて、かつ腸内環境を整えていくことが大事になります。

以上4つのポイントをお伝えしました。冷えはコンディショニングと深い関りがあります。日々の生活を振り返ってみましょう!

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